フイルム vs デジタル

eos_021m.jpg最近のマイブーム「フイルム」。本来フイルムであろうがデジタルであろうが、フイルムと素子の違いこそあれ最終的には記録とし「写真」と呼ぶわけです。ところが、いざフイルムを使い出して見ると撮る儀式は差し引いても写真に対するモチベーションがかなり違う事に気づかされます。この違いとは何なのでしょう。 

  思うに、フイルムの場合限られた枚数ですから無茶な撮り方はしません。ファインダーを覗いてフレーミングしてもシャッターを押さないと言う事も珍しくなく、それだけ一枚に対する思い入れが沸いてきます。この所の過去のポジ写真も、スキャニングしながらその画を撮った時の情景が見事に甦って来るのです。フイルムに情景を感光させるとともに脳内にも記憶として焼き付けているのだと言う事を強く感じます。 (続きを読むに続きます)

EOS-1 EF20mm F2.8 USM フジRDP

一方デジタルは、導入時こそフイルムライク的な撮影でしたが、慣れるにつれ、ついついシャッターを押してしまい、一度の出撃で300カットから400カットと言う無駄な撮影をしてしまいます。フイルムだったらシャッターを押さないだろうと言うカットも記録媒体の容量まで目一杯撮ってしまっているんですね。 

  それなら少ない容量のCFで厳選したカットを撮ればいいじゃないかと言う話になるのですが、一旦そう言う撮影の味を占めると、シャッターチャンスを逃してしまうのでは無いかと言う不安に苛まれます。しかもRAWであれば(最近はJpegでも)露出ミスまで撮影後に何とでもなってしまいます。便利と言えば便利なのですが、こういう便利さが一枚の写真に対する思いを軽薄な記憶、いや記憶にも残らないカットの山を築いているだけの様に思います。    

同じ「写真」を撮るカメラなのにフイルムはその制約から自然と気構えを写真モードにしてくれます。デジタルだから駄目と言うのでは無く、フイルムと同じようなスタンスで撮影出来れば、撮れる写真ももう少し、記憶の片隅にでも残しておける写真になるのでは無いかと思います。私の場合自らデジタルを軽い物だと仕立ててしまったようです。ちょっと反省ですね。でも、フイルムの制約がデジタルの自由よりも面白いのは事実です。  

月一の会 会員Gattoさんのブログでも語られています。    

eos_021.jpg

12件のコメント

  1. arata さん
    コメントありがとうございます
    フイルムに対する気持ちが「月一の会」の会員の方々のブログで語られてるのを見て
    私も負けじと(^^;一発ブッテ見ました!
    フイルムで撮っておきながら、スキャナーによるデジタル化と
    モニターでの観賞と言う手法に、それでは本来のフイルムの良さが解らないではないか!
    と叱られそうですが、これはこれでフイルムで撮ると言う喜びを手助けしてくれると思います。
    更に、デジタル化された数値をデジタルでプリントアウトするとなると
    またまた難関が待ち受けているのですね。
    殆どプリント(大伸ばし)はしていないのですが、仕事が少し落ち着いたら
    私も挑戦して見ようと思います。

  2. 撮影時の気持ちの問題、同意いたします。
    それとは別に、プリントを最終的なブツとして捉えることが銀塩のポイントだと思います。紙の上に金属銀で画像を作るわけですから。
    デジタルでも顔料プリンタで似たようなことが出来ますが、何か本質的に違う気がするのです。まだ良くわかってまへん。

  3. raspyさん
    コメントありがとうございます
    その時々に凝っているアングルとか被写体とかありますね。
    特にポジで撮っている物は、今でも宝物です。
    同じデジタルではありますがraspyさんのスキャナーカメラは
    フイルムに通じる楽しさがあり「写真」を楽しまれてるなと思います。

  4. うさぎ主義者さん
    コメントありがとうございます
    いや、撮影する時間が取れず、デジタルの在庫が尽きてしまいまして
    スキャナーを新調した事でもあり、過去のフイルム写真でお届けしています(^^;
    同じですよ、私もレコードを買うのを我慢して
    フイルムに費やしていたのを覚えています。
    貴重なフイルムですから、1コマ1コマ厳選して撮影していましたね。
    その分本当にその1コマ1コマの記憶が鮮明に思い出されます。
    心のフイルムにシッカリと焼き付けられていて驚きます。
    私もデジタルで数撮るようになり
    フイルム時代の、復習をした感じです。
    そういう意味では、気軽に数撮れるデジタルは
    露出の基礎や画角に対する画像の映り方など再認識させてくれました。
    つい先日まではもうフイルムには戻れないなと思っていたのですが
    フイルム機の中古市場は思いの他低価格で
    その気になれば、1万位でボディとレンズが揃いますし
    5万もあればレンズ3〜4本揃うのですよ、
    憧れだったフイルム一眼のフラッグシップ機さえ
    正にフイルム一眼黄金期と言えると思います。
    月に1本位なら十分楽しめるんじゃないでしょうか♪
    写真お褒め頂きありがとうございます。
    過去写真に頼らず、今の写真でも頑張らないといけないのですが
    昔ほど撮る時間が無いのがですね。
    生活もデジタル波の余裕の無さが悲しいです。

  5. PhotTonさん
    コメントありがとうございます
    珍しく長々と書いてみました。
    結局撮る側のスタンスなのですが
    フイルム機の方がそう言う気持ちにさせてくれると言うのが正直な所
    制約があればあるほど、闘志も湧いてくるんですよね。
    デジカメの手ブレ補正などもその一つで
    ケッ、そんな機能に助けられないと、ブレの一つも克服できないのかよ
    みたいな闘争心で、いまだ補正機には手を出していないのです。
    何と言うか、便利過ぎる機能がデジタルをツマラナクしてしまっているよう
    E-30から搭載されたアートフイルターも
    デジタルに飽きが来ている証拠ではないかと。。
    小手先の新機能が、「写真」の面白さから
    どんどん引き離しているようにも感じてしょうがありません。
    フイルムとデジタル両者共存で「写真」を楽しみたいと思います。

  6. 撮っている時代もあるのかもしれませんが、今までとは違う側面の写真で新鮮な感じがします。いいですね〜。

  7. Tokさん
    コメントありがとうございます。
    そうでしたね、まだデジタルにされて1年もたってなかったですね。
    フイルム機購入の時もご相談を受けましたし
    デジタルの時も半ば強引にE-3を勧めてしまったような(笑)
    全てをフイルムに置き換えるつもりはありません。
    最近入会した「フイルムを月に1本使うの会」の
    名前の如く、最低月1本撮れればと思っています。
    ですので経費もモノクロフイルム1本、
    フイルム現像タンクの初期費用はかかりましたが
    現像代は1本100円かからないです。
    しかも、自分で現像する楽しみもありますからね。
    デジタルと平行して楽しむには
    かなり良い作戦ではないでしょうか。
    Tokさんも つきいちの会 如何です♪

  8. パチーリさん
    コメントありがとうございます
    そう言えば、フイルム一眼レフの時代
    サブ機と言えば、別のフイルムを詰める為に使っていましたね
    デジタルになってからのサブ機、
    サブ機と呼べない使い方で、レンズ交換の煩わしさ
    シャッターチャンスを逃すまいと
    焦点距離の違うレンズを付けて使っています。
    何処までも便利に使っているのですが
    この反動が、フイルムの不便さを逆に楽しめているのかも知れません。
    フイルムのサブ機、OM-1がありませんでしたか?

  9. こんにちは。久しぶりのカキコですが、実はちょくちょくブログ拝見してました ^^
    ふぉ〜すさんはほとんどフィルムに戻られたようですね。確かに、分かる気がします。なんだかデジカメもどんどん進化していって、でも進化した所で写真を撮る楽しさが増える訳ではないんですよね ^^;
    私も以前は(建築写真オンリーでしたが…)フィルム一眼レフを愛用してましたが、確かにその頃の写真の撮り方と今は全然違う。。。
    昔はポジばかりで撮っていて、しかも超ビンボーでしたから(笑)撮る場所とか構図とか露出とかさんざん悩んでから、ようやく1枚だけパシャリと ^^
    あの頃はワンショットワンショット、すごくはっきり覚えているんですよね。それが今では過去の写真を見返してみて「あれっ?こんな写真いつ撮ったんだっけ?」とかそういう次元に。。。笑
    ただ、私の場合は(趣味として)写真にハマったのはデジタルになってからですから、もう戻れないと思います *_*
    PS:一連のフィルムの作品、どれもすごくキレイですが、特に「デジタルは、卒業。。」の多重露光のお写真が好きです ^▽^ まさにフィルムならではの作品ですね!

  10. 激しく同意です!
    デジタルだから、、フィルムだからと言う違いではなく
    それに対する自分の気持ちが結局の所、差になっていると思います。
    デジタルから入ってフィルムに今はまっている私です。
    デジタルでは当たり前に出来たことが
    フィルムカメラでは当たり前に出来ないという制約が
    もの凄く新鮮で、崇高な物という勘違いをしている真っ最中ですw
    レコードがCDに、アナログ針の時計がデジタル表示の日付入り電波時計に、、
    そんな時代を過ごした私なのでフィルムにも偏った気持ちが入っているのかも、、、
    いや、そうでないのかも、、、さっぱり判りません。
    デジカメ、デジタル時計、CDになっている世の中に生まれた世代の人たちが
    フィルムをどう捉えているのか、もの凄く知りたい今日この頃です。

  11. 僕も一眼導入がフィルム時代の末期にギリギリ入っていますので、
    とても共感が持てます。
    っていうか、去年の今頃はまだフィルムだったんでした。^^;
    フィルムを知らない人がフィルムを使うと・・・
    さて、どう思うのでしょうね。
    やはり不便なところや費用が気になって、
    なかなかフィルムのこうした良さを味わうところに辿りつけないのかな。
    ふぉ〜すさんのこの記事を読んで、
    多少なりともフィルムを知っておいて良かったなと
    改めて思うことが出来ました。

  12. 「フイルムの制約がデジタルの自由よりも面白い」
    なるほど、頷けますな
    デジタルの利便性を痛感することも多くなってきました
    「あ〜今モノクロ詰めてあるよぉぉぉ・・」とか
    もしかしたらサブ機が必要ですか?

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