ピンクの涙|その4

3月2日、ついにその時がきました。1週間はあっという間でついに手術の日がやってきました。目覚めると意外と落ち着いています、あきらめがついたというか手術ごの回復する視力に期待をする気持ちの方が勝ったようです。

 

手術前に受持ち看護師さんが来られ手術までの段取りと、手術後の打ち合わせをされました。手術までに瞳孔を開くための目薬が何度となく点されること。9時30分以降は飲食禁止、12時位に手術、2〜3時間の手術時間予定だそうです。術後は下向きの姿勢厳守。昼ご飯が食べられないので病院食はキャンセルして貰い、手術後サンドウィッチ等軽食を食べることにしました。

また、手術中は点滴をしますが、術後はすぐに外されると言うことでした。点滴嫌いなんで、こういう術後どうなるかという事を前もって教えて貰えるのは、気分的に負担が減り良いなと思います。そうこうしているうちに私の番です。病室で点滴を打ち車椅子に乗り、いざ手術室へGO!しかし大きい病院だけにエレベータを二つほど乗り継ぎ、院内をぐるぐるまわります、もう何処に行ったのかさっぱり判らない状況です。

手術室のドアが開くと、ナースステーションの様なところの先には長い廊下がありその両サイドに沢山の手術室が並んでいます。この一角全てが手術室です、10室くらいはあったんじゃないでしょうか。手術室に入るとそこには更に手術用ベッドが3つほどありとても広い空間でした。テレビで見る手術室よりも遙かに広いです。沢山の手術用の機械があるのにゆとりのあるレイアウトでしたから本当に広かったです。

白内障の手術は個人病院でしたから、そう広くはない部屋で、倒れる椅子に座って手術を受けましたが、今回はフラットなベッドタイプでした。ベッドに横たわると手術担当の面々が挨拶をされました。執刀医、助手、麻酔とバイタルを見る方ともう一方器具類の担当でしょうかでしょうか、合計4名いらっしゃったように思います。緊張と不安ですでに記憶が曖昧です。

「これより網膜剥離手術を行います」と宣言され早速注射を打ちますと言われました。しかし腕は手術用のカバーの下に固定されているじゃんと思っていると、なんと注射は眼に打つ物でした(^^;プスッとした感触は感じましたが痛みは全くと言って良いほど感じませんでした。うん、これならパイプを刺されても平気だろうなと言う印象で緊張の中にも安堵しました。

次に「洗浄します」と宣告され、あぁ水攻めが来るぞ、また仮想で溺れるのかと鼓動がどくんどくんしてきましたが、「顔をちょっと傾けます」と言われ水を貯めて洗うのではなく、洗い流すという戦術でした。しっかりインフォームドコンセプト時の私のお願いに対処してくれています。おかげで脳が溺れてると勘違いすることなく順調に手術が進んでいきます。

パイプも無事突き刺されたみたいで手際よく手術が進んでいきます。実はパイプが刺された記憶がまったくありません。器具類の担当の方がガスとオイルの準備どちらにしますかと執刀医に尋ねられたのですが、眼の中を見てから判断すると言うことで、両方が準備されました。

手術前に説明を受けていたのですが、剥がれた網膜が別の場所にくっついて癒着している可能性もあると言われていました。実際癒着がひどかった様で手術の半分の1時間くらいは、癒着を取り除きその部分を洗浄する作業に思えました。例えると明太子を皿の上にのせて中身を取る際、明太子の皮が皿にくっついた部分を箸で平らに伸ばす、多分そんな感じではないかと手術中妄想していました。

そんな作業を来られながら、執刀医と助手の方の「ここがほにゃららで、なんたらかんたら・・・」みたいな確認をしながら、手術が進んでいきます。一番気を使ったのが頭はもちろんのこと、目玉も動かさないように静止した体勢を維持することに全神経を集中させることだけで精一杯でした。

この辺で器具の担当者に「ガスを準備して」と告げられました。

最初にライトを当てられた時は眩しかったのですが、「強い光がだめでしたね」と執刀医が言われたかと思うと、ふーーーっと暗闇の世界になってしまいました。「あれ?」何されたんだろう?網膜剥がれちゃった?わけが判らないままでしたが、はい終了しましたと言われ、眼にガーゼを当てられ眼帯をつけようとされました。

「先生、光が全く感じられないのですけど、大丈夫でしょうか?」と尋ねると眼帯を外して、手術した眼の方の前で多分懐中電灯みたいなライトを、カチカチッとされました。本当に薄らですが、光の点滅が感じられ「あっ、大丈夫です」後で判るのですが、注入されたガスは、水銀のような鉛ぽい感じでした。ガスが光を通しにくくしているようです。

手術台から車椅子に移る際は、手術が終わった安堵と長い緊張から解き放された開放感でかなりふらふら状態でした。見える右眼が2時間ぶりの視界をさまよっていました。個別の手術室を出ると、担当の看護師さんが迎えに来てくれていました。「○○さん下を見ててくださいね」と言われ、そのま廊下の床模様を眺めながら、病室まで疾走していく感じでした。

つづく(月曜日になるかも)

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