自社が出した機種ながら、そのOMと言うカメラを越えられない、オリンパス。米谷美久という一人のエンジニアの想いを具現化した、見た目も性能も美しすぎる、今や伝説として語られるほど、このカメラなくしてオリンパスのカメラは語れない。その生い立ちに幸運があるとしたら、メカニカルなモデルからスタートを切ることが出来たことで、一人のエンジニアが図面を引き、魂を入れることが出来た時代だったことだろうか。そして技術革新の波に乗れなかったのもこのOMなのだ。E-1を旗艦として再参入したE-Systemは、そのシステムを完成することなく、事実上のマウント替えである。そして今、崖っぷちに立たされたオリンパスは、OM-Dというパンドラの箱を開けようとしている。開けたが最後、OMを越えなければ許されない。その覚悟の真髄を見させて頂こう。ウダウダ言いながらも見届けようじゃないか。OMの名を甦らせるからには、PENのノリでは許されないのだから。OMの銘に遊び心などいらない、基本の機能をギリギリまで妥協せず必然の美をまとってほしい。