Macがなければ何も出来ない事を再認識する。

PA100245-2.jpgコンピュータ化が叫ばれて早20年、いち早く手作業から、コンピュータ化されたデザイン業界に居る身としては、そのコンピュータに翻弄される結果となった事を痛感せざるを得ない。導入時は手作業禁止令を敷き、一切の業務をMacで行うと決めた。導入時は超忙しい日々を送っていた事もあり、Macのレクチャーも二時間程で終わってもらい、即実作業に突入。当時3種の神器と言われたアプリケーション「Photoshop」「illustrator」「QuarkXPress」何の疑いもなくそれらを使いだした。丁度入っていた仕事がA4、8面の観音開きのリーフレット、当時の営業が、「コンピュータ入れましたから、この物件はコンピュータで作った物をお持ちします」などと言ってきたものだからさぁ大変。プレゼンは1週間後。その日から寝れない日が続く事になる。

 
まず、スキャニングするも画像の保存形式は何で保存すればいいのかが解らない。当時の販売店はマックを売ることだけで、その辺の事は全く知らないと言うことが解った。ましてや印刷の知識のない販売店のオペレーターに聞いても解るはずもないのだと悟った。仕方なく本屋へ行きありとあらゆる本を買ってくる、まずは読書から始めなければならなかった。
 
Quarkも最初は取っつきにくかった、使いたい色は自分で設定しないといけない。DICやTOYOのカラーベースはあるものの、YMCKの混合色を自分なりに作ることからだ。Quarkの分厚いマニュアルを3度ほど読む。解らない機能も数多くあったが、どこに何が書いてあるかをまずは把握することにした。後は手作業で行ってきたことをソフトでやるだけだ、幸い製版や印刷の知識はあったので、専門用語も読解できた。illustratorはインストラクターがデモしたあのふにゃふにゃのベジェー曲線を見た瞬間、パスしようと思ったので、スタッフに任せた(笑)かくしてここまでで、4日を費やす。
 
さぁ、いよいよとやり始めると結構な頻度でMacがフリーズする。昼間は販売店に聞けるのだが、フリーズし出すのは決まって夜の方に集中するものだ。よって本屋へ直行、システム関係の本を買い込んでくる。そんなこんなで何とか期限内の1週間で完成させることが出来た。この時の睡眠が1週間で12時間という記録を打ち立てた。そんな感じで始まった私とMacの付き合いも、今はMacがなくては何も出来ないまでになっている事を、痛感したこの3日間でした。
 
PS:つい最近、1週間12時間の記録を更新、8時間というタイムを叩き出してしまった。
 
E-1 ZD50-200mm LR3

2件のコメント

  1. TOOLKITさん
    なるほど、出力系もされていたんですね。
    当時の情報の少ない中、色々と大変でしよね。
    日経Macの本が発行されたのを期にMacを導入
    一冊まるまるデータ出力の月刊誌が発行されたのを知ると
    印画紙出力止まりだったのを、データ出力出来る製版会社を探し回り
    データ化にこぎ着けました。ここもQuarkからのデータ受けは初だったようです。
    その後やっと地元の印刷会社がデータ出力すると言うことで、
    フォントの環境を合わせるために先方を訪問。
    工場長や役員らしき方々が7〜8人お出迎えされ、何事?と思ったら、初のデータ受けだったようです。
    そんな創成期からですからね。先人の居ない初の連続で苦労がありましたが
    その分、達成感もいっぱいでした。

  2. うふふっ(笑)。
    かつて私はそういう困った人の電話を受ける側にいました。
    製版フィルムの出力までやっていたので、深夜にデザイナーとやりとりする事も。
    「なんで画面通りに出力できないんだ!」と、何度高価な現像機に当たり散らした事か。
    …懐かしいです。
    いまやトラブルもすっかり減って良い時代になりました。
    私の本業もそろそろ引退時かな…。
    とはいえ、コンピューター無しには一日たりとも生きて行けないですね…。

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